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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第11章 君に危害が及ぶ前に身体が勝手に動いてたんだ…

その後、警察官が来ると店で暴れた男を連れて行き、店内に居た全員に事情聴取を行った。
繁正さんは後で話を聞くと言われ、タクシーで病院に向かった。
私も着いて行きたかったが、店の後片付けと聴取があるので、同行は許されなかった。

お店への被害は無かったが、事情聴取が終わった段階でお客さんには申し訳ないがお帰りいただいた。
警察官も引き上げ、散乱したグラスやお酒を片付ける。

「店やって5年経つが、ナイフ持って暴れられるの初めてだよ…」
「私もですよ。死ぬかと思いましたよ」

あの目で睨みつけられたのを思い出すと身震いする。
しばらくあの目が頭から離れないんだろうな…

「人が死んだとか…最悪な事態にならなくて良かったな」
「まあね…繁正さんだけ怪我されましたけど…」


「……あっ」

ヤバい!
今何の気も無しに繁正さんの事名前で呼んじゃった!!
さっきまで知り合いって事必死に隠してたのにー!



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