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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第11章 君に危害が及ぶ前に身体が勝手に動いてたんだ…

からかってくると想像してたのに、想像していた反応は実際のものとは全く違った。
「やっぱりな」と呟いてモップ掃除を始めた。

「な、何ですか…?」
「…下の名前で呼ぶ程親しいとは思わなかったが…」
「……」

やっぱりからかわれた…
と言うより、既に色々とバレてるか…

「分かってたんですか?」
「まあな。普段は1人で飲んでるお客が、急にお前に話し掛けるようになったら変に思うわ」

流石バーのマスター、お客さんの事よく見てるな。

「あの人はお前が女だって知ってるのか?」
「はい、会社の上司みたいな人なんです。プライベートでもお世話になってるというか…」
「その人はダブルワークの件は黙ってくれてんのか?」
「はい、割と律儀な人みたいで本当に助かってます」

セフレにされている事は黙っておこう…
すると、店長はニヤニヤしながら私のウィッグを取り外した。

「ちょっと!?」
「お前、男装してる癖に男の事分かってないなー」
「…?」




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