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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第11章 君に危害が及ぶ前に身体が勝手に動いてたんだ…

「あの人はお前が気になってるんだよ。気になる子が仕事を辞めさせられないよう、ダブルワークを黙ってくれるんだよ」

「気になってる」だなんて、それって…

「き、気になってるって……」
「鈍いなー…お前の事が『好き』だって事だよ…」
「!!!」

し、繁正さんが私の事…好き?

「ふええっ…!?」
「何だよその驚き方。可愛すぎだろ」
「店長から可愛いなんて言われたの初めて…明日は大雨になるかも…」
「アホか」

店長は鼻で笑ったけど…

「好きってそんな…私の事を本当はどう思ってるか…」
「プライベートでも世話になってるんだろ?気持ちの無いただの部下だったら、そこまでしないだろ?それに…」
「それに?」

「お前が襲われそうになった時、あの人すげぇ怖い顔してたんだぜ。お前を守りたい一心でナイフを持った相手に勇敢に立ち向かっていったんだよ」
「うう………」

繁正さんが私を好きだという事実を突きつけられ、顔から火が出そうなくらい熱くなり、頰もユルユルに…


(うわっ、赤くなってやがる…こいつもあの人が好きなんだな…)



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