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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第13章 それは知られたくなかった
「大丈夫そうだったよ」
「ふーん、それだけ?舞ちゃん…」
「なに?」
隣を見ると、けいちゃんはどことなく不満そう。
…けいちゃんは私が内緒にしてるのに気付いてるんだ…
学生の時から好きな人の話や彼氏が出来た時には隠さずに報告していた。
私に初めて彼氏が出来た時、恥ずかしくてけいちゃんになかなか報告出来なかった…
おそらく、その時と様子が似ていると感じたんだろう…
「…けいちゃん、あんまり話してると滝沢さんに注意されちゃうよ?」
「あ、そうだね…」
滝沢さんの背中を一瞥してから、パソコンに向き合う際にコソッと耳打ちした。
「けいちゃんが知りたい事は、お昼に教えるから」
けいちゃんはパッと顔を輝かせ、小さく頷いた。
ーーーーーーー
「へぇ、そっか。やっぱり原田さんと」
「うん、けいちゃんが予想してた通り」
「えっへへ。だって、舞ちゃんが原田さんを見る時、いつも笑顔だったもん」
社食の隅の席で私の話にけいちゃんは声を抑えながら興奮している。