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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第13章 それは知られたくなかった
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「ああー、どうしよう!遅刻しちゃった…!」
デートの前夜、久しぶりのデートに興奮して夜寝付けなかった結果、待ち合わせの30分前に目が覚めてしまった。
急いで準備をしたから、きちんと鏡で確認出来なかったし、あまり寝付けなかったから眠気が…
外出する頃には、待ち合わせの時間ギリギリで、しかも今日チョイスした靴はヒールが高めだから走りづらい…
待ち合わせ場所である駅前で繁正さんをお待たせしてしまった…
「…お、おはようございます!すみません、遅れてしまって…」
「おはよう。遅れたって言っても10分くらいだから、大丈夫だよ。それに…」
「ふぅ…それに…?」
「俺も寝坊して、今来たところなんだよね。デートなんて久しぶりだから、ワクワクしてた…」
照れ臭そうに頰を掻く繁正さんを見て、一気に体温が上昇した。
遅刻した理由が私と同じだなんて、気持ちが通じ合ってるようで嬉しい…
「舞花ちゃんが寝坊したのは、バーの仕事が忙しかったから?」
「いや、私は…」
「やっぱり夜の仕事があった日はもう少し寝た方がいいかな?ごめんね、俺がちゃんと気を遣ってたら…」