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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第13章 それは知られたくなかった
「あ、あの…変なとこありましたか?」
「いや全然、似合ってるよ。可愛い」
「…っ!」
あー、サラッとカッコいい事言わないでよー…
頰の筋肉が緩みそうで、手の平をキュッと抓った。
気持ちを落ち着けて、冷静に話し掛けた。
「そう言ってもらえて良かったです。当日どんなコーディネートにしようか凄い迷ってたんですよ?」
「そんなに深く悩まなくても良かったんじゃない?」
「良くないですよ!繁正さんが『当日の服装楽しみにしてる』なんてライン送ってくるから…」
わざと怒った口調で言うと、繁正さんはまた口元を隠した。
しかし、口の端が隠れておらず、口角が上がりっぱなし。
「そっか…服装考えてる時は俺の事考えてくれてた?」
「はい。どんな格好が繁正さんの好みなのか考えてましたよ」
すると、私の肩を掴んで抱き寄せ、形の良い唇を耳元に寄せた。
「ち、ちょっと…」
「嬉しいな…俺の事を考えて頭の中いっぱいにしてくれて…今日も俺の事ずっと考えてて…」