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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第13章 それは知られたくなかった
「ありがとう、いただきます」
「これで良かったんですか?」
「うん。値段より買ってくれた相手の気持ちの方が大事。嫌々奢ったわけじゃないだろ?」
「もちろんです!」
店内のイートインスペースでお互いのアイスを交換しながら、デザートの時間を楽しむ。
「アレ?しげじゃない?」
「あっ…」
通り掛かった女性に声を掛けられ、繁正さんはなぜか顔を顰めた。
「何でここに?」
「私も買い物に来てたの」
次に隣に居た私を無遠慮にジロジロ見てきた。
嫌な視線ではないけど、見過ぎじゃない?
この人…まさか元カノ!?
繁正さんを親しく「しげ」なんて呼んでいるし…
「もしかして…この子が例の彼女!?」
「ま、まあそうだよ…」
「えー、可愛い♡」
急に笑顔になって、私の頭をわしゃわしゃし始めた。
…なんで元カノ(?)の人に髪の毛乱されてるの?
「おい、嫌がってるだろ」
「えっとあの…」
「あっごめんね、可愛かったらつい……挨拶まだしてなかったわね。しげの姉の水嶋 玲奈(みずしま れな)です」
「ああ…」