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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第13章 それは知られたくなかった
「私は関係ないじゃないですか?伯父さんに話せば良いじゃないですか!?」
「出来るわけないでしょ!?まともに話を聞かずに追い出されるに決まってるじゃない!桜には絶対話しちゃダメよ!あの子には迷惑掛けられないから」
相変わらず私の事はお構いなしの考えに心底呆れる。
私にも迷惑が掛かるのに…
どうにかして帰ってもらおうと頭を回転させながら、伯父に電話を掛けて鞄に忍ばせた。
「そもそも何処にそんなお金あると思ってるの!?」
「何言ってるの?幸久の遺産があるでしょ?」
幸久とは私のお父さんの事だけど、亡くなった時には遺産なんて無くて、伯父に肩代わりしてもらった借金があったくらい…
「お父さんの遺産なんて残ってないよ。そもそも残ってたら借金なんてしてないよ」
「嘘付け!あの子は大企業に勤めてたんだから、稼ぎは有ったはずでしょ!あの時だって『俺に任せとけ』って私の代わりに大金払ってくれたんだから…」
「どういう事?」
確かに父は名の知られた企業に勤めてはいたが、その分金遣いが荒く、自分で貯金出来る程も毎月残していなかっだと思うけど…