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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第15章 大事なものが離れていく
翌週から繁正さんも忙しくなったのかあまり会社で見掛けなくなった。
また、朝送ったラインの返事が深夜に送られてくるのも頻発した。
多忙な繁正さんの助けに少しでもなればと、家事をすると言ってみたが、繁正さんからは「気持ちだけ受け取っておく」と断られてしまった。
それとは別に、ここ1週間の繁正さんの態度が私の不安を増長させていた。
繁正さんがどことなく素っ気ない…
やっぱり「お見合いに行かないで」とワガママを言ったせい…?
しくじったな、こういう時どうしたら良いの…?
「はぁ…」
「どうしたー?翔太?お前最近溜め息ばっかだぞ?溜め息吐くと幸せが逃げてくぞー」
「そう言う店長はご機嫌ですよね」
最近、店長目当ての女性客が増えて店長の機嫌が良い。
店長彼女居るのにね…
「あんまり鼻の下伸ばしてデレデレしてたら、彼女さんに言いつけますよ」
「うわっ、それだけはやめてくれ。この前怒らせて、1週間俺の嫌いな小松菜ばっかり食わされたんだから」