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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第16章 手を伸ばしても届かない存在
「仕事に入れる日が少なくなりそう」と言おうとしたところで、今度は頬を突かれる。
「へんちょう、いらい…」
「バーカ、まだその会社に採用どころか面接にも行って無いのに、勤務日数の相談しようとしてるんだよ」
「すみません」
その会社の勤務状況も分からないのに、相談なんて…店長の言う通りだ…
「てか、お前バーの仕事続けるってニュアンスで話してるけど、次の職場がまた副業禁止だったらどうすんだよ?借金の為とは言え、昼の仕事を犠牲にしてまで無理して隠れて副業するなよ」
「はい…」
今回は自主退職で扱ってくれたが、次の仕事も同じように扱ってくれるとは限らない…
気遣いながらもモップで突いてくるのは、店長なりの気遣いと普段こんな事しないから照れ隠しなのだろう。
「ありがとうございます。バーの仕事をどうするか決めながら就活していきますね」
「おう、頑張れよ。俺としては、もうちょいこっちの日数増やしてくれても良いんだけどな?」
「考えときます」