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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第16章 手を伸ばしても届かない存在
いやらしい笑いを浮かべながら、後部座席に振り返る2人の男性…
その内1人は、マンションにやって来た男性だった。
「うっ…」
「おっと動くなよ。大人しくしてろ」
身体は縛られたりしていないが、手足が痺れて思うように動かせない。
辛うじて頭は動かせるので車内を見渡す。
窓にはカーテンが引かれており、外の様子を確かめる事は出来なさそうだ…
「あの、誰なんですか?いきなりこんな事…」
「ああ、ごめんねいきなり。君は佐々木 清美の姪だよね?」
「は、はい…」
どうしてここで伯母さんの名前が出てくるの?
「実は俺達彼女にお金貸してんの」
「あっ…」
以前私の所に借金の肩代わりのお願いに来てたけど、この人達から借りてたんだ…
私を拉致したって事は、この人達かなり危ない人なんじゃ…
「返済過ぎても一向に返す気配が無いから、電話したら返せないってのまたいやがった。返済を迫ったら『姪の舞花なら返せる』って言われて、君を迎えに来たわけ」
「私は払いません。それに迎えに来たって何ですか?伯母さんに話して下さいよ」