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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第16章 手を伸ばしても届かない存在
「1ヶ月前にババアからお前の事を聞いて、色々調べさせてもらったよ。お前会社この前辞めたんだろ?金用意するなんて言ってたけど、無職のお前がどうやって用意するつもりなんだよ?
しかも一人暮らしで家族との接点も無い、人との接点が少ないお前だから連れ去ったんだよ。俺達が働く場所を用意してやるんだ?有難いと思えよ」
まさか調べられていたなんて…
だけど借金の為に身体を売るなんて、絶対にしたくない…
どこか逃げ出すチャンスがあるはず…警察に行って…
「おいおい睨むなよ。そうだ、警察に行こうなんて思うなよ。俺らの仕事場には怖い人達も居るわけ。情報もお前のだけじゃ無くて、周りの奴らの情報も全部握ってる。返し終わってもしばらくお前を見張る。もし変な真似したら、どうなるか分かってるよな?」
「……」
私が警察に逃げて、この人達が捕まったら、報復として姉や伯父さん達に被害が及ぶかもしれない…
緊迫した状況になっても、「周りに迷惑が掛かるなら、私が我慢すれば…」なんて馬鹿な考えが浮かぶ。