この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘めた花は彼の腕の中で咲く
第16章 手を伸ばしても届かない存在
次に目を覚ました時には、繁正さんは隣に居なかった。
代わりに姉夫婦が隣に居て、義兄に泣きながら抱き締められた。
「お義兄さん痛いです…」
「このまま起きないんじゃないかって思って、心配してたんだよ!」
(大声が頭に響く…)
どうやら殴られた際に打ち所が悪かったらしく、病院に運び込まれてから3日ほど昏睡状態に陥っていたらしい。
頭の検査を行い、結果が出るまで安静にしている事に。
意識がハッキリしてしばらくすると、警察が病室に来て色々と話を聞かれた。
男達の事や伯母について2.3質問をして「明日また伺います」と言って病室を後にした。
警察に聴取を受けている間も繁正さんの事を考えていた。
また彼が居なくなっちゃった…
あの時、きちんと手を握っていればこの場に残ってくれていたのかな…
「お姉ちゃん…」
「どうしたの?」
「…何でもない」