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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第16章 手を伸ばしても届かない存在
もう一択の方がどんな仕事なのかさ聞かない方がいいだろう…
「私の借金は返さなくて良いの?」
「ああ…元々は清美の借金取りだからな…清美から返してもらうよ」
「伯父さんありがとう…」
ようやく借金から解放されたんだ…
借金の話が終わったところで、婚約済みの従姉妹の話を伯父にぶつけてみた。
「伯父さん…恵ちゃんの事なんだけど…」
身内が闇金から借金をしている事が相手方に伝われば、婚約破棄されてもおかしくない。
「恵ちゃん、今回の事で相手から印象悪く見られないかな…」
「そこは大丈夫だよ。婚約破棄されるのを覚悟でこの件をお話したら、恵と結婚する上では関係ないと仰ってくれた。向こうも昔親族の借金で苦労させられたと仰っていたよ…だから舞花はもう気にしなくても良い…」
そうか、大丈夫だったんだ…
これまで張り詰めていた緊張感や身体の力が全て抜け、安心したのか涙が溢れてきた。
泣き止むまでずっと姉が頭を撫でてくれていた…