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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第4章 弱い部分を見せてもいいんじゃない?
着替えてリビングに出ると、カレーの香りが漂っており、更にお腹が空いてきた。
ダイニングテーブルに座ると、カレーを2つ置いて対面に繁正さんが座る。
私の方は皿に盛られているけど、繁正さんの方はレンチンご飯のパックに入ったまま。
「ご飯はレトルトで悪いな。うちには炊飯器が無いから…」
「いえ。繁正さんの方はお皿は…?」
「1人分しか無いから、舞花ちゃんが使ってくれて良いよ」
炊飯器や皿が無いってことは、普段から料理はしないのかな?
「料理とかされないんですか?」
「長いこと実家暮らしで、社会人になってから家を出たんだ。ただ、忙しくて料理をする習慣が出来ずに、6年経った今は出来合いで済ませる毎日だよ」
「でも今日は料理されてます…よね?」
「…女性には手作りのメシの方が良いだろ?」
照れ臭そうに頬を掻く。
その指に何枚か絆創膏が貼られていて、頑張って作ってくれたのだろう。