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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第4章 弱い部分を見せてもいいんじゃない?

繁正さんがスプーンでカレーを掬って一口食べると、何故か顔が険しくなっていく…

「…初めてカレーを作ったから、上手く出来てるか分からんな…君も食べてみてくれないか?」
「はい、いただきます」

人参を掬ってみると、切り慣れてないのか形がボコボコしてる…
口に入れて噛んでみると、食感は柔らかく、ルーもシャバシャバしてないからよくご飯に絡んでいる。

私がいつも作るカレーに近い。

「ど、どうだ…?」
「美味しいですよ。野菜も柔らかくて」

そう返事をすると、繁正さんはホッとした表情を見せた。
エッチしてる時とギャップがあって可愛い…

「良かった…箱に書かれてある通りに作ったんだが、上手く出来たんだな」
「それが正解ですよ。料理が上手くない人って変にアレンジして失敗しちゃうんですよね…うちの姉がそうでした…」

「お姉さんが居るんだな」
「はい、3つ上の。私にはいつも優しくて…去年結婚したんです」

昔から出来の悪い私より、姉の方が構われて可愛がられていたけど、姉はワガママにならず、自分を溺愛する両親を毛嫌いして、私のことを気遣ってくれた。

姉が結婚した今でも、時々一緒に出掛けるし、義兄を交えてご飯を食べに行ったりする仲で、大手企業に勤めていた姉のことを尊敬している。

…まぁ、料理の腕は私の方が上だけどね。



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