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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第4章 弱い部分を見せてもいいんじゃない?
「その会社は結局辞めてしまって、先月から今の会社で働いてるんですけど、まだお給料が低くて…それであのバーでアルバイトをしてるんです。残りの借金は伯父さんが代わりに払ってくれました」
「今はその伯父さんにお金を返してるの?親戚なら少しは待ってくれるんじゃない?」
「…伯母さんから聞いた話だと、そのお金は来年結婚する従姉妹のためのお金らしくて…大事なお金を払えなくなった私の代わりに使わせてしまったから、結婚するまでに早く返そうと思って…」
伯父さんは「大丈夫」と言ってくれたけど、伯母さんからいつも小言と嫌味を言われて、それが嫌で早く返したいところ。
「…別に君が借金を返さなくても良かったんじゃないのか?」
「いえ、借りたお金なんで、きちんと返さないと」
「真面目だな…」
違う…真面目なんかじゃ…私は弱いだけ…
「真面目じゃないです…もうちょっと前の職場で頑張っていたら、従姉妹の結婚費用を使わなくて済んだのに…」
「いや、君が会社で働き続けて潰れていたら、最悪な事になっていただろう…君は悪くない。偉いよ」