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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第20章 新しい関係
車に乗り込むとすぐに、もらった紙を繁正さんに取られてしまった。
紙に書かれたいたIDを一瞥すると、手の平でクシャクシャに丸めてしまった。
「ビジネスにこれは必要無いな」
「それは木梨社長が下さったものですよ」
「なに?隠れてラインするつもりだった?」
「違いますよ。ただ、きちんとお返事する前にIDが分からなくなると、お断り出来なくなるじゃ無いですか…」
お互い黙り込むと、運転手の玉名さんが茶々を入れてきた。
「ラインを教えられるなんて、佐々木さん社長さんに気に入られたみたいだねー」
「ちょっと、玉名さんやめて下さいよ」
玉名さんを止めるのに精一杯で、繁正さんの事を全く気にかけられなかった…
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「先輩、取引先の方から個人的なお誘いとか、ラインのID教えてもらう事ってありました?」
会社に戻ると、秘書課の先輩に今回の件を話してみた。
「うーん、2回くらいあったかな?佐々木さんもモテるんだね」
「いやいや、こっちは困ってるんですけど…」
「そうだよねー、取引先だもんね。でも、仕事は仕事だと区別出来てるのは流石ね。その場合はラインより直接顔を見て「個人的なやり取りは出来ない」とお断りした方が良いよ。彼氏が居るのなら尚更ね」