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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第5章 君を見てると我慢出来ない…

「舞ちゃん、あの人が親会社の…」

けいちゃんがそっと指差した方を見ると、案内されている1組の男女が。

男の人は眼鏡を掛けて、髪型もキチンとセットされてて、顔も整っててカッコいい…
女の人はちょっと童顔だけど、キリッとした雰囲気で私服もオシャレ。

2人とも仕事が出来そうな感じが出てて、お似合いだな…

なんて思っていたら、男の人と目が合い、何故かこちらに近付いてきた。

「どうも」
「あ、えっと…」

誰だっけ、この人…?
初対面だよね…
周りの視線が気になる。

「忘れちゃった?2回も身体を繋げたのに…」
「……っ!?」

耳元でそっと囁かれた声は、一昨日聞いたあの人の声で…
フッと笑いかける表情も…

「思い出した?」

な、何で繁正さんが会社に!?

「どうしたの舞ちゃん?この人と知り合い?顔真っ赤だけど…」
「何でもない!ちょっとお手洗い…」

女子トイレに逃げ込み、気持ちを落ち着けてから出ると…

「ここに居るの驚いた?」
「うわぁっ!?」
「ふっ、今のも最高」




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