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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第6章 可愛い反応ばかりだと、男装してても抱いちゃうよ?
店長がパスタの調理に取り掛かっていると、カップルが来店した。
「いらっしゃいませ」
テーブル席に着いてしばらくしてから、カップルが小さく手を挙げた。
「どうされましたか?」
「私初めてバーに来たんですけど、オススメってあります?」
「初めての方はカシスオレンジを注文される方が多いですね。甘いのがお好きでしたらファジーネーブル、サッパリしたものならモスコミュールがオススメです」
メニュー表を指しながら答える。
「じゃあ…カシスオレンジで」
「俺はジンバック」
「かしこまりました」
カウンターに戻り、カシスリキュールとオレンジジュースをシェーカーに注ぐ。
大学時代にカクテルを作っていたが、就職してからは作る機会が無く、久しぶりに作ってみると腕が落ちていた。
大学時代のやり方を思い出すため、カクテルの練習は土曜日の仕事の後、店長にみっちり付き合ってもらった。
その結果、1週間前から私もお客さんにカクテルを提供出来るようになった。
「お待たせしました。カシスオレンジとジンバックです」
「かんぱーい!」
「んー、甘くて美味しい」
「美味いな」
カップルには好評で、上手く出来たみたい…