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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第6章 可愛い反応ばかりだと、男装してても抱いちゃうよ?
カランカラン…
「いらっしゃ……」
ちょっと待って…
何でこの人が…
「どうもマスター」
「いらっしゃい」
「やあ」
何で繁正さんが!?
普段は金曜日しか来ないのに!
普段は私服なのに、今日は珍しくスーツ姿。
「はぁ…」
溜め息を吐きながら、私の真ん前に座った。
今まで私の前に座った事なんて無かったのにどうして!?
「はぁ…疲れた」
「き、今日はどうしたんですか…?」
「さっきまで仕事してた。慣れない事をやると大変だから、飲みたくなっちゃって…」
ネクタイを緩める仕草が妙に色っぽくて、手元に目をやった。
繁正さん、いつも最初はビールから飲んでいたような…
「ビールお出ししましょうか?」
「そうだね、ビールちょうだい」
「…どうぞ」
「ありがと。ちゃんと客が何飲むか覚えてるんだ。よく見てるね」
「いえ、それが仕事なので」
目を閉じてビールを流し込み、上下に動く喉仏に釘付けになる。
「はっ…」
何見ちゃってるの!?
ただの常連の人じゃ無くなったから、一挙一動が気になって仕方ない。