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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第7章 嫌な事は全部、俺が忘れさせる
「えええっ!?」
「ちょっとけいちゃん声デカイ。そんな驚く事でも無いよ…」
けいちゃんの声に、滝沢さんが「何だ何だ?」と寄ってきた。
「何だよ西島、でけぇ声出して」
「すいません。舞ちゃんが財布忘れたって言うものですから」
「佐々木ちゃんマジ?」
「…ハイ」
昨日、夜の仕事用の鞄から財布出してなかったかも…
本当に今日ダメだ…
「てか、よく財布無い事に気付かなかったんだね。電車乗る時点でわかると思うけど…」
「定期と財布は別にしてあるから、全然気付きませんでした」
電車は乗れるから、仕事が終われば帰れるけど…
「これじゃ、ランチ行けないよー…」
鞄の中を漁って、小銭が落ちていないか確認するが、100円どころか10円も無い…
ランチどころか、うまい棒すら買えない…
「けいちゃんごめんね。ランチ誘ってくれたのに…」
「何言ってんの!?ランチぐらい奢るよ」
「いや、悪いよ。けいちゃんに払ってもらうなんて…」
「舞ちゃんにはいつも助けてもらってるから、これぐらいさせて」