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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第7章 嫌な事は全部、俺が忘れさせる
昼からの業務は特にトラブルも無くこなし、休憩がてらトイレを済まして、戻る途途中で人通りの少ない喫煙スペースの前を通った。
「今日の合コンさー…」
その言葉を聞き、足を止めた。
数人の男性が話している。
色々あって、今日は合コンだということを忘れてた…
合コンに出ると承諾してから、誘ってきた男性社員から時間と場所を教えてもらっていた。
「何とか人数揃って良かったな?」
「今回さ、女の子どう?」
「へへへっ、受付のしおりちゃん来てくれるって」
「おお、マジか!?」
…受付の天田さんかな?
いつもニコニコしてて、私も1回話した事があるけど、裏表の無い素直な人というのが印象に残っている。
「総務の可愛い子2人も来てくれるから、盛り上がるぞー」
「でも、周りが華やいでると佐々木さん可哀想じゃん?」
立ち去ろうとしたら、私の名前が出て再び足を止めた。
何、可哀想って…
「今日の引き立て役だよ、彼女」
「あの子彼女としてどう?俺はダメ!」
「俺もー。女っ気なし!」
「見た目がアレだろ?暗そうじゃね?」
あんな男達に話のネタにされてるのに…
早く立ち去れば良いのに、下を見つめたまま動けなかった…