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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第7章 嫌な事は全部、俺が忘れさせる
メニュー表を見始めて、大事な事を思い出した。
「あ、そうだ。ごめんなさい、私今日財布を忘れてしまったんで、帰ります」
「別に君は払わなくても良いよ。俺が払うから」
「いやいや、そういう訳には…」
断っている内に、繁正さんはさっさと食べ放題のメニューを2人前頼んでしまった。
「今度お金は払います…」
「別に良いって。その代わり…今日は俺に付き合ってもらうよ」
妖しく微笑まれ、僅かに目を逸らした。
見つめていたら、ここで食べられそうな気がしたから…
「元々それが目的ですか?」
「違うよ…舞花ちゃんを元気付けたいのが1番の目的。アイツらに言われた嫌な事は全部、俺が忘れるくらい溶かせてあげるから…」
固まっていると、店員さんが鍋と食材を持って来てくれた。
割り下があるって事はすき焼きか…
そういえば、今日のラッキーメニューだったっけ?
「繁正さんって占いとか信じます?」
「占い?いきなりどうしたの?」
鍋をセットしている様子を見ながら、彼に問いかけた。