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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第7章 嫌な事は全部、俺が忘れさせる
野菜を頬張り、煮えたお肉を鍋から取り出す。
野菜を全て鍋に入れて、具材を頼もうと店員さんを呼んだ。
「夕飯は牛丼屋とか行きつけの安くて美味い定食屋で済ませてるし、仕事帰りに寄るスーパーで安売りの惣菜を買ったりしてるよ」
「俺にどんなイメージ持ってるの?」と苦笑したので、私が抱いていたイメージを伝えた。
「繁正さんって割とグルメで、自炊は余りしないと仰られてたので、いつも良いお店で食事を取られてるイメージがあります」
「あははっ、そんなわけないだろ。そんな食生活してたら破産するって」
愉快そうに笑う楽しそうな顔…
普段見せない柔らかな笑顔とは違う、子供っぽい笑顔に少し胸がドキドキした。
「お待たせしました」
「すき焼きの具材を追加で。あとご飯小を2つと…飲み物はどうする?遠慮しなくていいから」
「…烏龍茶で」
「それで良いの?烏龍茶2つで」
店員さんが去って、ある事を気付いた。
繁正さんも烏龍茶って…
「烏龍茶で良かったんですか?お酒は…」
「昨日飲んだからいいよ」
「そうなんですか?もっと飲まれるかと思ってました」
「飲むのは基本週一くらいにしてるよ」