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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第7章 嫌な事は全部、俺が忘れさせる
晩酌してるのかと思ったら、そうじゃないんだ…
すると、繁正さんが器を置いて頭を掻いた。
「はぁ、ごめん…本当はこういう食べ放題の店じゃなくて、洒落たレストランの方が良かったよな…」
「えっ?」
「君を元気付けようと沢山食べてもらおうと考えたらこの店が目に入って…いや、美味いんだけどな…」
唸りながら真剣に悩む姿に、年上なのに可愛く見えてしまった。
顔を上げた繁正さんにニッコリと微笑んだ。
「繁正さん、ありがとうございます。美味しいお店に連れてきていただいて」
「いや、うーん…」
「リーズナブルなお店だからって、私は気にしないです。気遣っていただいて凄く嬉しかったです」
言い終わると、繁正さんは「はぁー…」と溜め息を吐いて、手で顔を覆ってしまった。
…変な事言っちゃったかな?
「あの」
「…元気付けるつもりが癒されてどうすんだよ…」
「えっ?」
「いや、何でもない。今度はいい店に連れて行くから」