この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘めた花は彼の腕の中で咲く
第7章 嫌な事は全部、俺が忘れさせる
大学生の頃に1度、当時付き合っていた彼とラブホテルに来た事があった。
その頃はお互いラブホテルは初めてだったので、緊張して殆どの事は覚えてないけど…
部屋に入ると繁正さんはベッドに腰掛けて、隣に座るよう隣のスペースをポンポンと叩いた。
座ると、包み込むように抱き締められた。
「本当に付いてくるとは思わなかった」
「ご飯をご馳走になりましたから、きちんとお返ししないと…」
「真面目だなぁ…」
「それに、もし付いて行かなかったら、写真を出してくるんでしょ?」
写真の件を指摘すると、一瞬怯んだような表情を見せた。
「ああ、そうだったな…」
「もしかして忘れてたんですか?」
「そうだな。もし帰られていても、後で写真で脅すような事はしなかったかもね…」
だったら帰った方が良かったんじゃ…と思ったが、食べる前に言われた事が頭に残り、自分から付いてきた。
嫌な事を全て、溶かして忘れさせて欲しい…
余程、あの発言で自分はショックを受けていたのに気付いた…