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scramble
第8章 陽菜
陽菜は夜更にも関わらず、残業をしていた。
主人に連絡しておきますね。
座位で男に跨がっていた彼女はスマホで電話している。
男が彼女の耳にスマホをあてがい、女は喋りながら男の首に手を回し腰をグラインドさせて動いていた。
おおッ。おおッ。
シッ!聞こえます。
話し終わったスマホを放り投げ、髪を振りながら背中を大きく反らして。。。イ、イクッ。。。
女は海老反り状態からグッタリと男の胸に頬をつけて目を閉じて、余韻に浸っていた。
ムクッ。そろそろ帰りなさい。
ガウンを身にまとい、バーカウンターに行くとブランデーを注ぎ、氷を2〜3個入れる。カランッ。
女はパンティを履きながら、
『それではよろしくお願いしますね。主人のこと。
分かってる。
主幹教諭にはまだ早い。
指導教諭として推薦しておく。
校長は政界に行かれるんですよね?
まあな。君には秘書をやってもらおうと思っておる。
明日も来てくれ。
政界の先生がいらっしゃることになってる。
接待してくれ。
はい。いつもどおりで?
よろしく頼む。
しかし、こんな事してまで旦那を?
『あたりまえですよ。私は主人の出世のためなら何でもします。
ワシには分からんね。君の気持ちが。
まあいい。好きにすればいい。
口座に振り込んでおいてくださいね。ちゃんと。
ああ、金か。大丈夫だ。
先生も多忙の中、たまには奥様のお相手もされたらどうですか?
いいんだよ。私たちは破綻しているんだ。
もう何年も前からな。
それに向こうは仲間内で旅行に行ったり趣味に忙しいらしい。
適当にいてくれたらいい。
それより、今回はマシな女にしてくれよ。
この前のは酷かったぞ。
先方もだいぶ不満を漏らしていたぞ。
大変申し訳ございません。
先生の顔に泥を塗ってしまいましたね。
後ほどお詫びの品を持って。。。
よいよい。以降気をつけるようにな。
人選には気をつけて配慮してくれないと。
君にも任命責任があるんだぞ。
責任問題になってきたら収集がつかなくなる。
万全の体制でのぞみます。
先方の機嫌でも損ねたら、私の政界への進出、しいてはこの先の展望も危うくなってくるし、立場的にも不利になってくるからそのつもりで。
陽菜は見えない圧力とプレッシャーに苛まれることに。
校長のタワーマンションの最上階から下まで高速で降りるエレベーターの中でいろいろ試行錯誤していた。
もっとマシな女か。
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