この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
scramble
第9章 涼子
あの後、私は付き人の女性から刺激を受けて自分より20歳も開きがある若い男と駆け落ちして暮らしていた。
別れた旦那に嫉妬しても仕方ないでしょう?
ねえ?機嫌直してよ。
私も若い男に言い寄られて、彼女の気持ちがようやく理解できた。
まるで若い頃に戻ったように。
ずいぶんと私生活では男性と共にしていなかった。
娘1人を必死で女手一つ育ててきたから遠い過去のようだった事を思い出した。
付き人の女性、檀(まゆみ)はその日は非番で買い物をして帰宅するところだった。
自転車を車庫に止めると買い物袋を引っさげて玄関に入った。
ツバの長いレディースハットをダイニングのテーブルに荷物と一緒に置くと大きく溜め息ひとつ。
誰もいない家に入ると一通り片付けて夕食の支度に入る。
今日は朝、主人がトンカツにしろと言ってたが、簡単に作れる生姜焼きにした。
身体がキツいから夫も理解して納得してくれるだろうと勝手に解釈してソファーに少し横になる。
怒り心頭の夫の顔と態度に肩を竦(すく)めて顔を下にうなだれる自分の姿など誰も想像したくもないからだ。
それは現実になってしまっていた。
あんな事を夕方想像してしまったからだろうか。
怒った夫は部屋に引き下がり、先に眠ってしまった。
夫は、男はみんな勝手だ。
女を所有物のように扱う。他の男もそうなのだろうかと不信になることすら多々ある。
それが余計に私自身を私の中で打ち消すかのような行動にしてしまう。良い妻、良い母などと。私なりに頑張っているつもりだ。
私の横で向こうを向きソッポを向いて寝る旦那を後ろから引っ叩いてやろうかと日々葛藤するが、なかなかそうも行かず時は過ぎていく。
そう思うと子供には余計に辛く当たってしまう事がある。
せめて子供には自分と同じような運命は避けてほしいと考えるのが普通で、やれ勉強しろだの、家の手伝いしろだの、口にしてしまう。
子供は嫌だっただろうに。
今の私。側から見たら疲れた顔した女に見えてるのかしら?
ちょっとは私の話しくらい聞いてよね?あなた!
と寝ている旦那を揺さぶり叩き起こす。
うるさいなぁ。こっちは仕事終わって疲れて帰ってきてんだよ。
私だって、一日中家事して自分の時間もないしあなたも少しは家のこと手伝ってくださいよ。
はいはい。分かりましたよ。
ったく。
口うるせぇーな。
明日も早いんだよ。寝かせろよ。

/77ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ