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弥輿(みこし)
第6章 久遠神社・愛海
「……………」
此処は……何処……?
私は宗方本家の別棟に泊まり、隼さんに秘薬を使われ犯された、そこまでは朧気ながらも記憶にはある。
秘薬か隼さんの行為か、それに負けたのは私、淫らに腰を振り隼さんを求め続けた淫乱な記憶。
でも此処はあの別棟じゃ無い、別棟よりも更に大きな和室に布団1つを引き私は寝かされていたらしい。
それとも宗方本家の別部屋なのだろうか?
「……くぅっ……」
起き上がろうとしても、体に力が入らなく中々起きられない。
理由だったら分かる、あの過ぎた行為に体が追い付かなかっただけ、あんな破壊的な行為をすれば体は直ぐに悲鳴を上げるでしょう?
どうしようも無く外に面した障子を眺め、陽射しがあるから今が日中という事は理解出来るけど、その他を見回しても何か特別な物がある訳でもない広い部屋。
そんな中に1人なのは漠然とした不安を煽る、私はまた犯されるんじゃないか、性に溺れ自分から求めてしまうんじゃないかと。
「あんな……私……」
弥の痣、弥の巫女
正直言ってそれが何なのか完全には分からない、でも私は男達に犯されるんだって事だけは分かる。
隼さんの話の中にもあった、巫女は久遠村の男達のもの、でも神の依代って?
責められて朧気だったのと、隼さんの話が難しすぎて全てを理解出来ない私。
多分に私自身に降り掛かる事なのに、理解出来ないなんて情けないよ。
「ああ漸く目覚めましたか、目覚めないのでそろそろ心配していました」
「えっ! 誰!?」
内側の障子を開けて入って来た男の人。
白い着物に青い袴って言うのかな、でもこの格好は見た事がある、神社とかに行くと神主さんが着ている着物。
「誰と言われても……
俺は久遠神社神主 柊修(ヒイラギ シュウ)
如月愛海さん、貴女は弥の巫女として認められ、宗方から……隼様から弥の巫女として俺が預かりました」
「弥の……巫女……」
「弥の痣は俺も確認済み、漸く久遠村に弥の巫女がお戻り下さった
そんな弥の巫女が2日も目覚めなければ心配にもなるというもの」
「2日!?
私は2日間も眠っていたんですか?」
「ええ、宗方当主の巫女定めが少々過ぎたようで、意識を失ったまま貴女は宗方本家からこの久遠神社に運ばれて来たのです」
「……巫女定め……」