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第1章 Dear 聡

 プールで遊んだ後は、温泉に浸かり日頃疲れを癒やした。
お風呂から出ると一旦部屋に戻る。
部屋の窓からも海が見えた。
こういうのをオーシャンビューというのだろう。
夕日が沈む姿をそこから眺め、今日を振り返る。

 「星空、お誕生日おめでとう。
パパがお仕事を頑張るのは、特別な日にこうして家族でこの景色を見たいからさ」

 星空を抱っこしながら夕日を眺めて、ふと口から出る言葉に嘘はないのだろう。

 私の目の前で聡と星空は幸せな笑顔を見せる。

 家族の幸せをちゃんと作れる男なんだけどね……

 それでも、聡が時々分からなくなる。

 甘いムードの中に慕っていたいんだよ、聡。

 いつの間にか手を離されて迷子になってる私。
歯を食いしばり、泣くのを我慢して探し求めているんだよ。

 聡にもっと優しく愛されたい自分を……
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