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スパイス
第1章 Dear 聡
悪気のない毒舌聡は笑う。
自分そっくりの娘をしっかり抱いて水と戯れる。
端から見たら微笑ましい親子と映るはず。
でも私の瞳に映る聡は等身大そのもの。
好き、嫌い
聡と過ごした5年間
この感情を繰り返して過ごした
『星空ちゃん可愛いね。
皆川さんによく似てる』
『星空は主人にそっくりなのよ』
『えっ!ご主人そんなに可愛い顔してるの?』
そして、聡と星空の映る写真を見せると納得する。
『あっ!!旦那さんカッコイイ!!
目元なんかパッチリしていて星空ちゃんそっくりなんですね!
いいですね、皆川さん。
イケメンで優しそうな旦那さんで』
本当の聡を知らない人はみんなそう言う。
わざわざ休みを取り、星空の保育園の参観日に出席する聡。
若いお父さんが沢山いる中でも、50近い聡は見劣りしない。
お遊戯をする星空の事を一生懸命ビデオに収めたり、優しく星空を見守る父に徹し、星空の笑顔を絶やさない。
ズルイな……聡は
自分の魅せ方を知っていて、要領良く立ち振る舞って外面もいい。
私の前ではタガが外れたように悪魔の顔を遠慮なしに見せるのに!
ズルイよな………
私の心に聡への不満が木霊する