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第7章 聡LOVEな日々
シャワー浴びてから手を繋いで近所のドラッグストアに行って、棚の上のゴムを周りを気にしながら選ぶ聡が可愛かった。
「俺、身体の割にはデカイからLサイズ」なんて耳元で囁いて、恥ずかしがりながらカゴに入れた。
「夏帆、トイレットペーパーとかティッシュも買いだめしときな」そう言いながら、ゴムを隠す為にそれもカゴにつめたり、「欲しいもの他にない?買ってあげるから」なんて気を遣ってくれた。
「いいよ」って断ると、「俺、毎週夏帆の家に行くでしょ。必要なものくらい買わせてよ。母さんからも言われてんだ。一人で生活するのは大変なのに、お金も出さないでお前が遊びに行くのは図々しいよ。負担にならないようにしてあげなさいってさ。ごもっともな話だよな。シャワー浴びたり、料理を作って貰ったら水道代や光熱費も掛かるし、それをみんな夏帆が負担する必要ないさ。
俺にもちゃんとそれなりのものは払わせて」
そう言ってくれたんだ。
「私の家に来るのはお母様公認なの?」
「結婚考えてるんだから当たり前のように話すさ」
「そうなんだ。でもそこまで考えて下さるなんて…良いお母様ね」
「せっかちでチャキチャキした人だけどさ、一度失敗した息子を放っておけないんでしょ」
前の結婚で姑に苦労した私。
ウルッと涙が目に溜まって落ちてきそうになり、「じゃあ、じゃあ……トマトジュース買って!いつも風呂上がりの一杯はトマトジュースなの」そう言いながら、飲み物の棚に走って行き、涙を堪えた。
こんなに幸せなんて……怖いとすら思ったんだよ。