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第8章 歩

 気怠い身体を起こして、ベッドサイドの棚の上で充電しといた携帯を手に取る。
和香奈も身を乗り出して、自慢のオッパイ丸出しのまんま今か今かと画面が開かれるのを待っている。
こういうのも俺をムラムラさせる計算なのか?
もう1回のお強請り込みで身をすり寄せてくるのって(笑)

 「ほらこれが妹の星空(せいら)だよ」

 「せいら?」

 「星空って書いてせいらって読ませるの」

 「へえー今時な名前だね。義母のセンス?にしてもお目クリクリのパッチリで可愛いじゃん。子役にしてもいいくらい整った顔。義母似?やっぱ義母とんでもなく美人だったりして?」


 『やめれ、その機関銃のように聞きたい事だけ一気にまくし立てて聞いてくるのは』と言ってやりたいが、辞めとく。
目の前のオッパイに免じてな。
変に機嫌損ねると、オッパイすら触れなくなるほどタチ悪くなりそうだから。

 「星空はどう見ても親父似。目なんかモロそっくりで気持ち悪いくらい親父。
このキラキラネームのネーミングセンスも親父。
あの人、意外とロマンチックで星を見るのが好きで、星空が生まれた日に夜空を見上げたら綺麗な満点の星空だったとか?
夏帆さんと出会った日を思い出して幸せな気持ちになって、勢いでつけたらしい。
まあ、せいらって名前ならいずれ海外でも通用するし、時代の先端をいくキラキラネームだとか嬉しそうに言ってたっけな……」


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