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スパイス
第8章 歩

「歩のお父さんってかなりのイケメン?」
「俺の方がイケメン」
「あっ、あははは。そうね、歩の方がイケメンかもね?
それにしても星空ちゃん可愛いね。歩に懐いてる感じ」
頭の良い女も嫌いじゃないよ。
親父と星空はそっくりで俺は似てないからな…
言葉を濁して俺を立ててくれる女じゃなきゃ無理かも。
和香奈に見せた写真は、星空を抱っこして自撮りした写真だった。
ニコッと笑って甘える姿は半分しか血は繋がってないけど、めちゃくちゃ可愛い。
やっぱり俺の中でもこの世にたった一人の妹という存在はかけがえのないものなんだろう。
最初は子供が出来たと聞いた時、『歳考えろよ!』と思ったのは本音だ。
あんた達が寄り添ってこの先生きていくのは勝手だが、万が一どっちかが先立ってしまった場合はどうするんだ、両方いっぺんに逝ってしまう危機感とかも考えなかったのか?
いい歳してセックスして子供作って……俺の事考えてんのかよ?
万が一があった時、俺は星空を見放すなんて出来ずに育てていく事にもなりかねない。
厄介で面倒を押し付けないでくれ。
と冷静に考えたりもしたけど……星空に会う度可愛くて仕方なくて、いざという時は俺が守ってやらないとまで思うようにもなった。
だから現時点の彼女である和香奈には星空の存在を無視して話す事はしない。
仮に結婚なんて事になった時は、この訳ありな俺ごと愛する選択肢も持って貰わないとこの先の未来はない女という事になる。

