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スパイス
第8章 歩

親父の横で白いウエディングドレスを着て、幸せいっぱいの笑顔の夏帆さんは誰が見ても綺麗で可愛いと思うだろう。
あの親父がこの写真を俺にメールしてきた時はかなり浮かれていたはずだ。
『今日から家族♡』なんて題名つきだったし……。
初めて朝帰りした日の親父も幸せそうだった。
俺に遠慮して、受験が終わるまで籍も入れなかったけど、週末になると嬉しそうに夏帆さんの家に飛んでいった。
『歩、すっかり胃袋掴まれちゃってさ〜
何を食べても美味いんだよ。お前も料理上手な女にしろよ。美人は3日で飽きても、胃袋は一生もんだからな』
『胃袋じゃなくて、チンポ掴まれたんだろ?チワワちゃんによ!』
『バカか!あっ、でもそうかもな!』
『受験生に刺激的な話を有難うね』
『わりぃな、歩。受験頑張れよ。お前は頭が良いいから大丈夫だ。
お前の可能性こそ無限大だよな!!』
夏帆さんが現れてから親父は変わった。
笑顔が増えて息子相手にニヤケながら女の自慢して……恋をするって、人を変える力があるんだと、親父を見てしみじみ思ったよ。
俺も変われるのかな……?

