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第9章 欲しがりや


 何とか星空の誕生日プレゼントを買って、一息つく為にコーヒーショップに入った。
秋といっても、外を歩けば汗ばむほどの温かい日が続いていた。
カラカラと氷の音を立てながらアイスラテで喉を湿らせる。
目の前の和香奈はラテと一緒にアップルパイを頬張っていた。

ーー


 「そう言えばさ、歩が星空ちゃんパパに見えちゃうのは大人っぽいからじゃない?」

 「それは遠回しに老けてるってこと?」

 「違うって!多分優しいパパに見えたんだよ。若いパパのそういう姿は微笑ましいもん」

 「親父は今の俺の歳には俺が生まれたんだから、別に可笑しくはないけどな。
親父の場合は微笑ましいのは外面だけだったよ。
実際は、遊びたい時期に俺が居たから不満だらけだったんじゃね?」

 「うーん。大変だったと思うけど子供は可愛いいじゃん!
星空ちゃんと仲良くなりたいもん」

 「4歳のガキンチョと?」

 「歩の妹だからだよ。そういえば、黒目が大きいとこは歩に似てると思うんだ」

 「似てるか?」

 「妹でしょ。お兄ちゃんにどこかしら似てるよ」



 唯一そこは似ていたんだな……
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