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第9章 欲しがりや

 「ものもらいが出来て、たまたま学校の近くの眼科に行ったら、イケメンの彼氏までもらえたの?なんて友達に言われちゃった」

 「俺、視力だけは悪いんだよね。スマホ見ていてもぼやけちゃってさ、ヤバイって思って目医者にいったら、眼帯女拾っちゃいました」

 「眼帯女だと〜腫れちゃって酷かったんだもん。仕方ないでしょ!」

 「良かったな。綺麗に治って。
でも、眼帯した和香奈も結構色っぽかったんだよ。何か見えないベールに包まれた的な?」

 こういう、歯に浮いたような台詞を瞬時に思いつき、言葉にする奴だ。
俺が女だったら警戒するけどな。
っていうか、近くで光輝を見ていたからそういう危機的な信号を察知出来るのかも知れないが、女だったらそう云うこと言われたら嬉しくて、コロッといっちゃうもんなのかもしれないな?
モテない男は心で僻み、ちゃんと場を盛り下げない大人の対応も身についていくもんなんだとしみじみ思った。
 
 「惚気かよ」って苦笑い

 その時、目の前の二人は幸せそうだった。
和香奈の第一印象は、やっぱり光輝が声を掛けるだけあって、レベルの高いイマドキの元気で明るく物怖じしない子って感じで、光輝とお似合いの女だと思った。

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