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第10章 パッション

ーー


「暇潰しで行ったくせに、すっかり嵌っちゃったんだよな」

「まさかお前……実はホモでしたとかの告白?」

 次の瞬間、光輝はゲラゲラと腹を抱えて笑いだした。

「ひや、はあ?…オイオイ、歩、マジ勘弁!頭の良い奴はそこまでの展開考えちゃう?イヤイヤ……俺ね、ご存知の通り女たらしよ?いくらね、頑張る同郷のダチを尊敬したとしても、してもだよ?
そいつを好きとかないない、ないって!!
それ、BLっていうんだよね。あっ、そっちの世界興味なし!
ゴツゴツした男の体なんて興味ないって!!
なんでケツにアレ挿れてよがる?
そんなセックス、俺、マジ無理だわ〜。
歩の想像力果てしねー!!
俺は女が好きだし、これからもそれは変わらない。
さっきも言ったべ?好きな女が出来たって」

「だよな。飛躍しすぎてごめん」

「じゃあ、遠回しは辞めて、直球で。
その舞台に出ていた女優の卵に恋した」

「そうなのか」

「片思いだけどな」

「片思い?」

「苦戦してる」

「それで?」

「本気で好きだからチャラくなれない。
俺のパッションを捧げる女、やっと見つけた」

「それってどんな女よ?」

 和香奈を振ってまでパッション捧げる女ってどんなだよ?
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