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スパイス
第10章 パッション
光輝は目を輝かせなから、その女について語った。
ーー
ー
「まずは舞台を湧かせるほどのインパクトだよ。
その舞台のタイトルが『ゴミを捨てる女』って、どっかのドラマのパクリみたいなふざけたもんなんだけどさ、現実問題をちゃんと捉えていて、なんていうのかな…人は何故ゴミを捨てられないのか?ゴミをついつい溜めてしまう人の心理とか、ゴミの中にある人間模様を面白く描いているのよ。
で、俺のダチはゴミを捨てられないダメ男役なんだけどさ、主役の……その俺の好きな女がさ、凄腕ゴミ屋敷清掃バスターの役でさ、最初は髪を後ろに一本に束ねて、ダサいリクルートスーツで現れんだよ。
その姿で出てきただけで、まず笑いが取れるほどのルックスなんだよな…
例えるなら、何処にでも居そうな真面目で貧相な学級委員タイプの女子みたいな?
主役なのに敢えてブス抜擢は有り得なくない?
あははは ヤベェ……思い出した、ヤバ、超ヤバイ、あははは……」
光輝はその場面がフラッシュバックし、笑いが止まらなくなっていた。
目の前で幸せそうにゲラゲラ笑う不気味なイケメン。
俺はその状態が緩和されるのを辛抱強く待った。