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スパイス
第11章 壊れるほどに 奪って

ーー
ー
「もうどうしたらいいか分からないよ!
忘れたいのにいつまでもグチグチネチネチ思っていて!
頭の中から消えないんだもん!」
「まだ俺達は完全な大人じゃあないんだよ。
粋がってなるべく大人に近づこうと背伸びしてるだけ。
アキレス腱が切れそうなくらい我慢したら涙だって出てくるさ。
こんなに痩せ細るまで我慢すんな!」
力を入れたらポキンと折れてしまうんではないかというほど、細い和香奈の腕を包み込み、俺の胸板を貸す。
「歩、……歩、ごめんね、ごめん」
そう繰り返し、嗚咽を漏らしながら泣いてる和香奈。
「子供だったら、大声を張り上げて気が済むまで泣けただろうに。
いつから泣けなくなるんだろうな?
謝るな、和香奈は何も悪くない。
グチグチネチネチ後を引き摺るくらい真剣に恋しただけ。
きっとスッキリサッパリする日が来る」
「どうして振られちゃったのかな?」
「単純に縁がなかっただけ。
もっといい男が和香奈には待っているから、今のうちにイイ女になっとけよ」
「歩……どうしてそんなに優しくすんのよ」
「優しくないよ、俺は。
それでも……和香奈を少しでも元気にしたいと思ってる」
頭を上げて俺を見上げた和香奈と目が合う。
どれくらいの時間を見つめ合っていたのだろう…
何故、唇を重ねてしまったのだろう………
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「もうどうしたらいいか分からないよ!
忘れたいのにいつまでもグチグチネチネチ思っていて!
頭の中から消えないんだもん!」
「まだ俺達は完全な大人じゃあないんだよ。
粋がってなるべく大人に近づこうと背伸びしてるだけ。
アキレス腱が切れそうなくらい我慢したら涙だって出てくるさ。
こんなに痩せ細るまで我慢すんな!」
力を入れたらポキンと折れてしまうんではないかというほど、細い和香奈の腕を包み込み、俺の胸板を貸す。
「歩、……歩、ごめんね、ごめん」
そう繰り返し、嗚咽を漏らしながら泣いてる和香奈。
「子供だったら、大声を張り上げて気が済むまで泣けただろうに。
いつから泣けなくなるんだろうな?
謝るな、和香奈は何も悪くない。
グチグチネチネチ後を引き摺るくらい真剣に恋しただけ。
きっとスッキリサッパリする日が来る」
「どうして振られちゃったのかな?」
「単純に縁がなかっただけ。
もっといい男が和香奈には待っているから、今のうちにイイ女になっとけよ」
「歩……どうしてそんなに優しくすんのよ」
「優しくないよ、俺は。
それでも……和香奈を少しでも元気にしたいと思ってる」
頭を上げて俺を見上げた和香奈と目が合う。
どれくらいの時間を見つめ合っていたのだろう…
何故、唇を重ねてしまったのだろう………

