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第12章 弱い心 溺れていく性

「そのサッパリしたイイ女に歩は一度会ってるよ」
「ええ〜!!」
「歩に女の子紹介してって言われた時に連れて行った子」
「あのギャルさんですか?」
「そうだよ。あのギャルさん。
今はメイクも落ち着いて、小児科の看護師さんしてる。
子供達から人気あるんだよ」
「あっ、そうなんだ」
「あの日、菜摘は気合い入れ過ぎたのよね。
光輝の友達でクールで格好いい男子連れてくるからって言ったらさ、美容室で髪は巻いて貰うし、ネイルサロンでつけ爪までして、メイクもばっちりだったしね。
普通の男の人なら菜摘に堕ちたんじゃないの?」
「悪かったな。普通じゃなくて」
「歩の好み知らなかったし、仕方ないか」
「だね。見た目で判断した俺が悪い。話も弾まなかったし、悪い事したよな」
「だから、恋愛は一筋縄ではいかないのさ。
歩と菜摘ならお似合いだと思ったんだけどな…仕方ないね」
「縁がない人は通り過ぎるもんだ」
「光輝とは完全の終わりをやっと認められた」
「その方がいい。
イイ女になって見返してやれ!窶れた女じゃ魅力ないぞ」
「魅力なかった?」
小声であの事を匂わす和香奈
返事に困った俺は目の前の鶏皮の串を取り、口に放り込んだ。

