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第14章 今があるのは

和香奈に甘えて看病して貰って、元気になって今がある。
お礼に付き合って初めてのデートは柄にもなく遊園地に連れて行き、恋人らしく過ごした。
日が暮れるまでそこで遊んで、はしゃぐ和香奈を見ていた。
セックスを済ましたカップルは、たまにソレを抜きで過ごすのも新鮮に思う。
彼女ってこういうもんなんだろう……。
甘いムードの中で帰り道にわざと花屋の前なんか通って、春らしい花をチョイスしてプレゼントしてみた。
そういうサプライズに女は弱いとネットを鵜呑みにしてやってみた。
ピンクのチューリップは店先にあり、和香奈っぽいと思えたからだ。
ーー
ー
「歩、歩!!」
「えっ?」
「何。さっきからボーッとしてんの?」
「あっ、あ………」
「もう、また仕事の事考えてたな?」
「いや、あっ、ああ……ごめん」
「もう、上の空なんだから」
時折、目の前に和香奈という彼女が居るという現実を振り返る。
俺にはお前が必要なんだと再確認終わり。

