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第15章 タイミング
「葵、時間あるならお茶でもするか?」
「えっ!歩ちゃん。それは野暮ってもんよ。デート中でしょ?」
「和香奈いいよね?」
「うん。私は大丈夫」
「悪いよ」
「悪くないよ。久しぶりだし、お茶くらい奢ってやるよ。この近くで車も置けてお茶飲める場所あるか?」
「あっ、じゃあ公園出て右に曲がって少し歩くとファミレスあるからそこは?
車もそこに置けるし、そこのドリンクバー充実してるし、チーズケーキ美味しいよ」
「和香奈、さっきアップルパイ食べたでしょ…」
「別腹」
「あっ!私もそこのチーズケーキ好きです」
「じゃあ、歩のゴチで行きましょう。私、車移動するから先に行ってて!」
ーー
ー
「歩ちゃん、綺麗で優しい彼女だね。良かった。歩ちゃんが幸せそうで」
和香奈が走り去った後、俺達も並んで歩き出した時、葵はそう言って微笑んだ。
「ヤキモチ焼きでさ、最初は絶対葵の事誤解してたぞ」
「あはは。ヤキモチ焼かれるのは歩ちゃんが大好きだからよ。
それに私達小さな頃、良く似てるって言われたじゃん。
だから誤解は直ぐに解けたね」
俺を生んだ母さんの姉(雪子伯母さん)の子供の葵。
女なのに背が高く、ややガッチリした体格と奥二重で目が少し鋭く見えてしまうのも母形の遺伝なんだろう。
女なのにな……葵。
大人になっても俺達似てるわ(笑)
明るい性格と優しさでカバーしろな