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第15章 タイミング
女子というのは直ぐに仲良くなれるもんなのか?
席に座ってデザートを挟み、お茶を飲みながらぺちゃくちゃ喋り出す。
もうお互いを『和香奈ちゃん』『葵ちゃん』などと呼び合い、頼んだチーズケーキや抹茶タルトなどをシェアして食べ、LINEまで交換して『今度、ご飯行こうよ』なんて次の約束まで取り付けているとこは流石だと思う。
「和香奈ちゃんはあそこの総合病院の看護師さんなんだね。
カッコイイ!和香奈ちゃん美人だから患者さんにモテそう。
歩ちゃんウカウカしてらんないね」
「たまにはウカウカしたいです」
「もう〜歩はさ、ちっともヤキモチなんて焼いてくれないんだよ!」
「それだけ和香奈ちゃんの事信じてるからよ」
「かな?」
「さあね、どうでしょ」
「憎らしいでしょ〜この余裕!
まあ歩らしいといえば歩らしいんだけどさ!
葵ちゃんは優しさが滲み出ていて可愛いから園児にモテるんだろうな〜
葵先生大好き〜って純粋な園児の初恋を独り占めしてそ」
「そんな事ないよ〜」
互いを褒め合う姿は微笑ましい。
和香奈は確かに美人で気遣いのある女だけど、人一倍寂しがりやで誰かが傍に居ないと安心出来ず、メンタルは豆腐並。
その点葵はよく妹の叶の面倒も見ていて、周りからも良い子と言われるほど、穏やかな性格で人当たりも良い。
ルックスは和香奈と比べちゃえばやや残念な部類に入るが、性格は超のつくくらい美人だ。
そんな対象的な二人だからこそ、互いの存在に刺激を受け、良い関係を築く事が出来るのかもしれない。
そんな二人のやり取りを見ながら、俺もデザートを口に運ぶ。