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第1章 Dear 聡


 「アッ、夏帆……気持ちいい……もうイッちゃいそうだよ」

 聡は上から切ない声で訴える。
私は無言のまま、更に力を入れて聡の背中を抱く。

 ハァハァと混ざり合う二人の吐息

 重なり合う性器

 今、二人の体は一つ

 「夏帆……何処に出して欲しい?」

 「お腹」


 更に激しく聡にが私の上で腰を動かす。
こういう時の男は必死過ぎて可愛く思えた。
己の中に溜まった欲望の塊を女にこれでもか、これでもかというほど真剣にぶつけてくる。
そして、子を宿すエキスを女の体に放つのだ。
確実な避妊していても、その行為そのものは子孫繁栄に繋がる男と女の儀式には変わりないのだから。

 「夏帆………」

 私の名を呼び、私の上でグッタリとした聡。

 「さ、聡……くん……あの……何処に出したの?」

 「夏帆の中」

 「えっ、え!!えーーー」

 「だって、中にって夏帆が言うから……」

 「お腹って言ったの!!」

 「え、あっ、あ、ごめん。中にって聞こえたから、気持ち良すぎて……」

 「さ、と、し、く、ん、もう……ダメじゃん!!
大丈夫だと思うけど、もう子供は……洗い流してくる」

 「ごめん」

 そう言って、聡はサッと私の体から離れた。
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