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第17章 世界一の不器用者
『ハルがね、子供が出来たらルックスはみんな麗子さんに似て欲しいっていうの。
俺に似たら女の子は悲惨だよって。
私はね、ハルに似ている子供が欲しかった。
笑っちゃうでしょ?』
『ハルらしいなって思う』
『ハルらしいか……。
でかい頭で目が細くて、世間的には不細工(ぶちゃいく)かもしれないけど、ハルに似てる子がいいなあ。
誰が何ていっても、私には世界一可愛くて仕方ない子だもん』
『麗子……』
『ハルと私の子じゃなきゃ、意味ないし、正直いらない。
他人の子供の親になるなんて、そんな広い心を持ち合わせてないのさ。
だから夏帆の決意は凄いって思った』
『私が麗子だったら同じ事を考えるよ』
『夏帆?』
『前の結婚では授からなかったけど、それはそれで良かったと思ってる。
聡君と出会って、望めるものならばって思っただけ。
年齢的にも自然妊娠は難しいかもしれない。
でも、歩君が居たら……
聡君の遺伝子はこの世にちゃんと残したわけだし、私との間に出来なくても、それはそれで仕方ないって思えるじゃない。
だから、どうしても子供が欲しい人との結婚は自信なかった』
『夏帆は優しいね。
そういうとこ聡さんも好きになったんだと思う。
私が男なら夏帆を嫁にしたいもん』
『私はお断りします!』
『あら、はっきり言うわね』