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第17章 世界一の不器用者

『夏帆……
私に子供が出来ないのはバチが当たったからだと思ってる』

『バチ？』

『不倫してその恋を楽しんだけど、ハルが現れてキッパリ別れようとして、不倫相手が私にストーカー行為をして、奥さんにバレちゃったじゃない。
結局、裁判沙汰になって最後はドロドロの泥試合して、悪いとこは認めて罪を背負った。
そんな事も全てひっくるめてハルは私と結婚してくれた。
子供が出来ないのは、私が過去に犯した罪のせいだと思う。
ハルは何にも悪くない』

『麗子とハルが結婚するって話してくれた時に私が言った事、覚えてる？』

『不倫して、甘い汁だけを吸おうなんて調子が良すぎる。
それを知りながら結婚するハルはお人好しなのかもしれない。
だから、ハルを裏切ったら私は麗子を許さないし、ハルが麗子を一度くらい裏切っても、あんたが文句を言う筋合いはないと思う。
でも、二度目に麗子を裏切ったとしたら、私はハルを許さない。
麗子がハルを裏切るのは永遠に許さないって言ったのよね。
その時の夏帆は本当に怖かったけど、でもそれはごもっともな意見で、胸に五寸釘を突き刺されように痛かったよ。
そういう痛い事をハッキリ言ってくれる夏帆は、私の事を本気で心配してくれるてるんだって伝わった。
だから、その約束は守ってるよ』