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第2章 夏帆

 映画が終わったら、外は日が暮れて夜を迎えていた。
ママと並んで街を歩いた。
さっき観た映画の感想を言い合いながらさ、やっとパパの歩幅に合わせてママは歩いてくれたんだ。
ママはさ、大好きな俳優さんをベタ褒めしてるんだよ。
「狂った男を演じたら日本一よね〜
本当に気持ち悪いくらい狂気に満ちていたわ〜
もう最高〜」

 オイオイ、映画より現実見なよ。
隣にもいい男居ませんか?
パパは柄にもなく嫉妬した。

 しょうがない、ママは天然ちゃんなんだ。
ここは一つパパが大人にならないとって思ってさ………

 「夏帆ちゃん、まだ帰らなくて大丈夫なら飲みに行きませんか?」
 
 ママとまだまだ一緒に居たくてパパから誘ったんだ。

 「行く!行きます!」

 そう言ったママと目が合ってさ、パパは自然と笑みが溢れた。

 凄く嬉しそうにはしゃいでさ、その時のママの笑顔は最高に可愛かったよ。

 当初は映画を観たらバイバイのはずだったのにな(笑)

 バイバイするのは勿体無い女だって気づいたんだなぁ……
 
 それから、居酒屋で大人のデートしたんだ。
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