この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
スパイス
第2章 夏帆

「お陰でついたあだ名は獅子丸ですよ。
知ってますか?忍者ハットリくんの」
知ってますよ。世代一緒でしょ!
ハットリくんに出てくるちくわ大好きな犬ですよね?
何だかとても人懐こい犬が目の前にいるようですよ。
ちくわじゃなくチワワみたいな(笑)
あっ、ヤバイ、も、もう限界だ。
俺は我慢しきれなくて腹の底から声を上げて笑っていた。
ツボだよ、ツボ!!
こんな女見た事ない!!
「かっ、夏帆ちゃんと居ると楽しいね」
声が上擦ったよ全く!
「そんなに面白いですか?
私も聡君と居ると楽しいです。
こんな時間久し振りです」
自分の面白さに気づいてなく、それが素のあなたはかなりの天然なんですよ……
「俺もです。
ちゃんと結婚を意識した出会いなわけですから、ぶっちゃけた話もします。
俺も一人は寂しいって思います。
だから真剣に出会いを探してます。
離婚してからお付き合いした女性も居ましたが、上手くいきませんでした。
俺には息子が居ますし、息子の事も考えながらの婚活です。
ただもう今更母親を求める歳でもないし、逆に俺が寂しくなるくらい自立してます。
その点は問題ないですか?」
「問題ないですよ。
確か息子さん高校生でしたよね?」
「はい。もうすぐ18歳になります」
「聡君は若く見えますね!
18の息子さん居るように見えないですよ!」
「あっ、有難う」
ママの前では格好つけなくてもいいって思った。
この人ならありのままの自分でいられるって。
星空と同じくらい歩兄ちゃんも大事だからさ……

